災害対策基本法が改定 ~避難勧告がなくなり避難指示に一本化~
(個人的には、毎年のように「避難」に関する文言が変化するのはいかがなものかと思います。レベル4とか5とか、高齢者避難準備とか、いろいろ変わりすぎて混乱を招いているのではないでしょうか。しかしここではその議論は置いておきます)
以下、気象予報士として、ご自身と身近なかたの命を守るための具体的な行動についてアドバイスをいたします。
日ごろからの具体的な準備としては、
・災害が起こりそうになったとき避難場所が自宅から離れた場所ならどんな経路で避難するかの検討
・家族が仕事や学校で離ればなれになっているとき災害が発生したらどう行動するか(災害用伝言ダイヤル171の利用方法の確認や、避難場所の第一候補、第二候補などの情報を家族で共有しておく)の打ち合わせと確認
・保存食料や水、防災グッズ(携帯ラジオ、ライト、充電池、アルミ毛布など)の準備、歩きやすい靴の用意
などです。
どこに「避難」するかについてですが、ハザードマップなどで確認した上で、安全が確保できる場所であれば自宅や知人宅も「避難場所」にできます。
しかし、自宅や知人宅が災害のリスクのある場所に建っていたとしても、災害が差しせまって安全な避難場所に移動するとかえって危険な場合は、そうした危ないところにとどまらざるを得ない状況も考えられます。そうしたときは避難場所の中でも出来るだけリスクの少ないところに避難しましょう。
たとえば、崖くずれや土砂災害の危険が高まっているときであれば、土砂が流れ込んでくると思われる側から最も離れた部屋に移る。台風の場合なら、窓ガラスからできるだけ遠ざかる。冠水の恐れがある場合は出来るだけ高いところ(2階があるなら2階以上)に避難する。このように、できるだけリスクの低い場所に身を置くように心がけてください。
災害が目の前にあるとき、自分の命はまず自分で守らなければなりません(自助)。お年を召されたり、体が不自由だったりして自助が出来ない方が近くにいたら、その方の命を守るためどう行動するか、自分と身の回りの人と共にしっかり考え、行動すること(共助)が大切になります。避難所の準備や設置、災害に強いまちづくりなど行政や公共団体がすること(公助)は、命にかかわる事態が過ぎ去ってから行われる場合が多いものです。
日ごろから、災害時に自分がどんな手順を踏みながらどう行動するかの計画(タイムライン)をしっかり作って、いざというときに備えましょう。